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維持管理MAINTENANCE

千葉市が団地型マンションの建て替え支援制度を創設

2013/4/23

千葉県千葉市は、地域コミュニティ再生の一環として団地型マンションの建て替えを支援する「地域再生支援制度」を策定したと発表しました。地域の再生(建て替え)を進める管理組合(分譲マンション団地)に対し、計画の策定や、設計・工事費用の一部を補助するもので、2013年6月から申請の受け付けを開始します。

東京都や堺市で類似の制度はありますが、市レベルでのマンション建て替え補助は先進的な取り組みといえ、今後の動向が注目されます。

マンション・団地再生の加速を狙う

千葉市では、2010(平成22)年度にマンションの再生活動(建て替えや改修など)を行おうとするマンション管理組合に対して、その合意形成に要する事務費用などの一部を補助する「分譲マンション再生合意形成支援制度」を創設しました。

今回の建て替え支援制度は、これをさらに進めて建て替え推進決議や建て替え決議が行われた場合の計画策定費用、実際の設計・工事の費用を補助するもの。ただし、補助申請の要件は次のとおりで、対象は比較的大規模な団地型マンションに限定されています。

(1)対象となるマンションの区分所有者が10人以上であること
(2)原則として、マンションの敷地面積が2ヘクタール以上であること
(3)原則として、税法上の耐用年数の2分の1以上を経過したマンションであること
(4)建て替えに向けた活動の推進を管理組合の総会で議決していること
(5)敷地面積の4分の1以上、かつ、5000平方メートル以上を戸建て住宅街区として整備することを検討していること

具体的な補助内容は、「地域再生計画策定費に関する補助」と「設計・工事費に関する補助」の二つがあり、それぞれ次のとおりとなります。

@地域再生計画の策定に関する補助は、計画策定費用の2分の1以内、かつ、50万円を限度とする
A設計・工事費に関する補助は、工事費用の2分の1以内、かつ、1戸あたり100万円を限度とする(従前戸数により算定)

千葉市長の熊谷俊人氏は、定例記者会見で新制度創設を発表するとともに、自身のブログでも次のように解説しています[]。

千葉市は他都市と比べても団地・マンションの比率が高い都市です。主に高度経済成長時代に建築された団地やマンション群が今後住民の高齢化と同時に老朽化が進んでくることを考えると、建て替えによる再生を進めていくことも千葉市にとって重要な課題です。

また、熊谷市長は、設計・工事費に関する補助は「100戸のマンションであれば1億円、1000戸であれば10億円を上限に補助を出すことになり、思い切った施策」と述べ、補助制度の創設により市内のマンション・団地の再生が加速するよう取り組んでいきたいと抱負を語っています。

(編集部)




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注釈 NOTE

注: 「千葉市長・熊谷俊人Blog」(2013年3月28日)

図版 CHART

文書: 千葉市記者発表資料「マンションの建替えを支援します〜地域コミュニティの再生を目指して〜」(2013年3月28日)