改正耐震改修促進法で耐震診断補助100%の自治体も
2014/1/28
建築物の耐震化を加速するため2013年5月に改正された耐震改修促進法が、2013年11月25日から施行されました。
マンションなどの耐震改修を促進するため、区分所有法の特例として決議要件を4分の3以上から過半数に緩和する認定制度がスタートしたほか、容積率や建ぺい率の特例措置により耐震改修計画の認定基準が緩和され、基準適合認定建築物の表示制度(認定マーク)も創設されました。
耐震改修促進法の改正をうけて、地方自治体では「耐震改修促進計画」の見直しや変更が開始され、各自治体による補助制度の整備も進んでいます。
マンションの耐震改修は普通決議で可能に
改正耐震改修促進法により、耐震改修の促進の対象は、これまで不特定多数が利用する大規模な建築物として特定建築物に限られていましたが、今回の改正で小規模な建物やマンション、一般住宅など全ての旧耐震建物が対象に含まれることになりました。
対象のうち一定の建物は耐震診断の実施が義務づけられ、所管行政庁(都道府県または市区町村)はその結果を公表しなければなりません。
また、区分所有建物については、耐震改修の必要性に関する認定制度が創設され、認定を受けた区分所有建物は区分所有者の集会(総会)による決議要件が4分の3以上から過半数に緩和されます。マンションの耐震改修は、これまで特別決議による承認が必要でしたが、今後は普通決議で可能となります。
国と自治体の補助金で耐震診断の自己負担ゼロも
改正法の施行をうけた地方自治体による対応も進んでいます。
「要緊急安全確認大規模建築物」の耐震診断結果の報告期限は改正法により2015年12月31日までとされ、所管行政庁は結果を公表することとされました。また、「要安全確認計画記載建築物」の耐震診断結果の報告期限の報告期限は地方自治体が定める日までとされています。
地方自治体では、都道府県の100%、市区町村の93.2%が耐震改修促進計画を策定済みです(国土交通省調べ、2013年4月現在)。東京都は、改正法に基づく「東京都耐震改修促進計画」の変更案を公表し、2014年1月9日からパブリックコメントの募集を開始しました。現在、他の自治体でも同様の取り組みが進められています。
改正法により耐震診断が義務化された建物は、補助制度(耐震対策緊急促進事業)の対象となりますが、その対応は地方自治体において補助制度が整備されている場合とそうでない場合によって異なります。
2015年末までに耐震診断が義務づけられた建物に対しては、時限措置として耐震診断に対する国の補助率が3分の1から2分の1に引き上げられます。同様に補助率を引き上げる自治体もあり、一部では所有者負担が実質的にゼロとなるところもあります。
国土交通省では、補助金の解説や交付事務などの窓口となるホームページを2013年5月に開設し、関連情報を提供しています(ただし、自治体に補助制度がある場合は自治体が窓口となります)。
詳細は、耐震対策緊急促進事業実施支援室のホームページをご参照ください:
http://www.taishin-shien.jp/index.html
(編集部)