改正電気事業法が成立、2016年に小売り全面自由化
2013/12/10
2013年6月に国会に提出されたものの与野党対立の影響で廃案となった電気事業法の改正案が、10月に召集された臨時国会に再提出され成立しました。改正電気事業法に基づき、日本の電力システムの改革が今後3段階に分けて実施され、2016年をメドに電力小売りの全面自由化が実現する見込みです。
電力システム改革を3段階に分けて推進
改正電気事業法は、2013年通常国会(1月28日〜6月26日)の会期中に衆議院で可決されたものの参議院で否決されたため、秋の臨時国会(10月15日〜12月9日)に同内容で再提出。11月13日の参議院本会議で可決され、同法に基づく「電力システム改革」が実施されることになりました。
政府は、東日本大震災の影響による電力需給の
経済産業省の報道発表資料によれば、電力システム改革の目的として、@安定供給の確保、A電気料金の最大限の抑制、B需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大の3点が掲げられています。
この目的の下、次の3本柱からなる改革を行うこととしています。
●広域系統運用の拡大
●小売りおよび発電の全面自由化
●法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保
また、改革の実施は以下の3段階に分けて進めることとしています。
【第1段階】
広域系統運用機関(仮称)の設立
2015年をメドに設立
【第2段階】
電気の小売業への参入の全面自由化
2016年をメドに実施(2014年通常国会に法案提出)
【第3段階】
法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保と電気の小売料金の全面自由化
2018年から2020年までをメドに実施(2015年通常国会に法案提出)
改正電気事業法の成立により、電力小売り全面自由化と発送電分離の実施時期が明文化されたことになり、国策としての電力システム改革の推進にはずみがつきそうです。
(編集部)