MALCAが「MLCPプランナー」養成講座を開講
2014/3/11
マンション生活継続計画(MLCP)の作成についての必要な知識をもつ人材を養成するための初の講座が、2014年3月2日(日)、東京・千代田区のちよだプラットフォームスクウェアで開催されました。今回の「第1回MLCPプランナーAタイプ基礎講座」は、マンションの居住者組織や管理組合等において災害対策の担い手となる人材の養成を目的とするもの。講座を実施した一般社団法人マンションライフ継続支援協会(MALCA)では、MLCPプランナーの育成を今後も段階的に進める計画です。
マンション防災の最新ノウハウ「在宅避難」を学ぶ
MALCAは、民・学・公・産の有志による検討会を経て、マンションの災害対策を推進する中間支援組織として設立されました。2013年3月には「MLCPフォーラムVol.1」を開催し、MLCP(Mansion
Life Continuity Plan)検討会がまとめた提言を発表。マンションの災害対策の柱となるMLCPの作成と具体的な活動を推進するため、MLCPプランナーの養成事業に本格的に着手しました。
東日本大震災以降、マンションの災害対策のなかでも地震への備えの強化が叫ばれ、さまざまな取り組みが行われています。しかし、多くの場合、啓蒙や意識啓発の段階にあり、発災時における具体的かつ実践的な計画の策定や実施の検討は、まだ始まったばかりです。
また、首都直下地震や南海トラフ地震が発生した場合には、大幅な避難所不足が予想されます。木造住宅等に比べて堅牢な建物であるマンションでは、できるだけマンション内の共同生活を維持する「在宅避難」が望ましく、これが地域の災害対策や企業等の事業継続にも寄与するといわれます。
マンションでの「在宅避難」を可能とするためには、居住者の自主防災の取り組みに加えて、マンション居住者が自ら防災組織を立ち上げたり、管理組合等の体制の再整備、建物・設備の防災性能の向上が必要となります。MALCAでは、こうした「在宅避難」の時代に対応するため、MLCPプランナーの養成を図ることとしました。
3月2日に開催された「Aタイプ基礎講座」には42人が参加し、午前10時から午後6時までの研修を受講しました。当日のプログラムは、MLCP研修のガイダンスに続き、災害時のマンション生活をイメージするワークショップ、MLCPプランニングの具体的手法に関する講習、国土交通省マンション管理適正化・再生推進事業に採択されたMLCP作成の事例紹介、グループ発表・討論など、密度の濃い内容が長時間にわたり続きました。にもかかわらず、終了後のアンケートでは、「たいへん役に立った」62%、「役に立った」33%、「ふつう」2%という、受講者の高い満足度が示されたといいます(MALCA事務局調べ)。
MLCPプランナーは、自分が居住するマンションでMLCP作成とこれに基づく災害対策の担い手となる人材(Aタイプ)と、管理組合等の依頼によりMLCPの作成や災害対策を支援する人材(Bタイプ)に分類されます。
MALCAでは、2014年は引き続き「Bタイプ基礎講座」を開催し、2015年以降はAタイプ・Bタイプのそれぞれについて養成講座および検定試験、上級養成講座および検定試験の実施を計画しています。
(編集部)
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