日管連が経産省などに陳情書提出
2012/5/15
一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連)は、マンション共用部分を対象とした電気料金の一方的値上げは承服できないとして、経済産業省などに陳情書を提出しました。この陳情については新聞・テレビなど多くの報道機関が大きく取り上げ、多くのマンション管理組合が直面することになった問題の本質を広く訴えることに、一定の成果を挙げたといえそうです。
4月10日、日管連は民主党と経済産業省、消費者庁に「マンション高圧電気料金値上げに対する陳情書」を提出し、4月27日には東京電力株式会社にも「マンション共用部分等の高圧電気料金の値上げに対する要望書」を提出。マンション共用部分で使用するために管理組合が契約している電気料金を、業務用と同一視して値上げの対象とすることに再考を求めました。
経産省などへの陳情は、NHKや民放各社が4月10日夜のニュースで取り上げたほか、主要新聞も4月11日朝刊で報道しました。一連の報道は、その後テレビの報道番組やワイドショーなどで、電気料金値上げがマンション管理組合に与える影響について取り上げるきっかけともなりました。
東電は自由化部門の電気料金を4月1日から平均17%値上げすることを表明。対象となるのは企業・団体等の業務用が中心ですが、住居専用であっても変電設備を設置して高圧受電方式で契約しているマンションなどは値上げ対象に含まれます。
日管連によると、高圧受電方式は住戸規模の大きいマンションで導入されていることが多いものの、機械式駐車場など大きい電力を消費する設備がある場合は小規模マンションでも採用することがあります。また、分譲マンションの受電契約は、専有部分(住戸)は各区分所有者、共用部分については管理組合が、それぞれの契約者となることが一般的だといいます。
しかし、「専有部分も共用部分も費用負担者は区分所有者個人。そもそも、エレベーターや共用廊下など共用部分にかかわる電気料金は、企業を主たる対象とする自由化部門に含まれるべきではない」と日管連は指摘。「マンション管理組合がその共用部分で使用する電気料金については、家庭用と同じく申請・認可制の扱いとすることが望ましい」と要望しています。
日管連は、マンション管理士会による唯一の全国組織として2007年12月に設立、2009年3月に一般社団法人化、2012年4月現在で全国49のマンション管理士団体が加盟。東日本大震災の発生をうけて、2011年8月には「被災マンションの復旧・復興に関する提言」を公表するなど、消費者であるマンション管理組合の法的アドバイザーの視点から、マンションを取り巻く諸問題への取り組みを進めています。
(編集部)