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特集: 電気料金値上げ

東京電力に続き関西電力も値上げを申請

2012/11/27

11月26日、関西電力株式会社が電気料金の値上げを経済産業大臣に申請しました。規制部門(家庭用)の電気料金を、2013年4月1日から、平均11.88%値上げする予定で、自由化部門(産業用)についても、規制部門料金で認可された原価に基づき、19.23%の値上げを実施する計画。東日本大震災の発生以降、原子力発電停止にともなう最大限の供給力確保に取り組んだ結果、火力発電用の燃料費が大幅に増加したことが値上げの主因で、経営効率化と内部留保の取り崩しのみによるコスト増の吸収は極めて困難としています。

同日公表された「電気料金の値上げ申請について」によると、震災前の平成22(2010)年度と比較して、原価算定期間となる平成25(2013)年度から27(2015)年度の火力燃料費は、3か年平均で5689億円増加する見込み。また、「大飯発電所3、4号機以外の原子力プラントの再稼働が見込めないことから、平成24年度の通期の業績は4200億円程度と過去最大の赤字となる見込み」とし、「さらなる徹底した経営効率化を前提」としたうえでの値上げに対する理解を求めています。

関西電力は、東京電力が2012年1月に値上げを唐突に発表した際、大きな非難を浴びて社会問題化したことを意識してか、「経営効率化への取組みについて」もあわせて公表し、値上げの積算根拠や経営効率化の詳細についても積極的に情報を開示。規制部門では使用料が多いと料金単価が高くなる3段階料金制を導入し、割安な時間帯に電気使用を誘導する割引制度「はぴeタイム」の見直しを図るなど、エネルギー効率利用を促す電気料金メニューも自主的に発表しています。

しかし、東京電力が同時に批判された、電気事業への民間事業者の参入促進や中小企業等に対する配慮に欠ける点などについては言及がなく、規制部門・自由化部門ともに「お客様へ丁寧にご説明してまいります」との表現にとどまりました。また、自由化部門値上げの影響を受けるマンション共用部分の負担増と、専有部分電気料金の値上げによる居住者の二重の負担増についても、言及はありませんでした。

関西電力に続き、11月27日には九州電力が、2013年4月から規制部門を平均8.51%、自由化部門を平均14.22%値上げする計画を発表。四国、北海道、東北の3電力も、年明けには値上げ申請に動く見通しといわれています。各社とも原発依存度が高かったため代替火力燃料費の増加により財務状況が悪化しているという共通点があります。東京電力の値上げにより上がった火の粉が、ついに対岸に渡り始めたといえそうです。

(編集部)




バナースペース

図版 CHART

図1: 関西電力の規制部門3段階料金制度(出典: 関西電力2012年11月26日付けプレスリリース)

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図2: 関西電力の規制部門「はぴeタイム」料金(出典: 関西電力2012年11月26日付けプレスリリース)

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