石巻市のスマートコミュニティ推進事業が本格化
2013/10/22
宮城県石巻市は、石巻スマートコミュニティ推進事業が経済産業省の補助金対象事業に採択されたことを受け、地域エネルギー管理システム(CEMS)の導入を開始すると発表しました。再生可能エネルギーを活用した「低炭素なエコタウン」と、災害時に「灯りと情報が途切れない安全・安心なまちづくり」の実現をめざし、市内のモデル地区で需給バランスの調整を図るCEMSの構築を図ります。
CEMS導入で地域全体の電力需給バランスを調整
東日本大震災最大の被災地となった石巻市は、復興に向けた取り組みに地元の企業や日本を代表する企業・団体、研究機関などが協働して英知を結集するため、震災から7か月後の2011年10月に石巻復興協働プロジェクト協議会を発足。産学官協働による世界の復興モデル都市「石巻市」の実現を目標とし、エコ・セーフティタウン、産業関連、再生可能エネルギー、医療関連の4分野で、復興事業の立案と検討を進めてきました。
今回、「地域エネルギー管理システムの導入事業」(補助事業者は株式会社東芝および東北電力株式会社)と、「防災拠点へのエネルギー管理設備導入事業」(同、東芝)の2件の計画が、経済産業省「平成25年度スマートコミュニティ導入促進事業費補助金」の対象事業として採択されました。
経産省によるこの促進事業は、エネルギーの利用効率を高めるスマートコミュニティを、東日本大震災の被害を受けた岩手、宮城、福島の被災3県に先駆的に導入するための補助を行うもので、2013(平成25)年度は17件のスマートコミュニティ構築事業が採択されています。
石巻スマートコミュニティでは、市内4か所のモデル地区の公共施設・商業施設と災害公営住宅(集合住宅)、復興住宅(戸建て)に、それぞれビル向けエネルギー管理システム(BEMS)、マンション向けエネルギー管理システム(MEMS)、家庭向けエネルギー管理システム(HEMS)を導入する計画です。
補助金を活用したエネルギー管理システムの構築により、2013年度は防災拠点となる公共施設のエネルギー利用状況の“見える化”を実現する予定です。最終的には、CEMSと連携した需要家統合システムで地域全体の電力需給バランスの調整を図る次世代都市を構築し、石巻市の復興に寄与することが期待されています。
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(編集部)